「熊が人里に出没」というニュースがこのところ数多く報道されています。
ケア施設に現れ、施設内に閉じ込められ、射殺された熊の映像が流れました。
熊に出くわした人の恐怖たるやいかばかりか。
人に危害を与えたり、農作物を荒らしたり・・・当事者にとってはとんでもない悲惨な出来事だと思います。
ただ、なんか腑に落ちない気持ちで写真をみてしまいます。
熊と人間は共存できない?
動物園で白熊の赤ちゃんが生まれれば一目見ようと人は殺到します。
熊柄のベビー服や熊のおもちゃ、熊グッズは相変わらず人気です。
恐ろしい熊がなぜ人気者になりえるのか・・・・「ヨーロッパでは熊は母性の象徴」とされているからという説もあるらしい。
確かに母熊と小熊はいつも寄り添って行動しています。(今回出没した小熊は射殺された母熊を探して迷い出てきた可能性があるとテレビでは語られていました。小熊がしゃべった訳ではないので真偽のほどはわかりませんが・・・)
☆ 昨晩のニュースステーションで「熊出没への取り組み」特集が放映されました。りんご農家が莫大な被害を受けた・・・「熊との戦争だ」というご主人が映ったときには射殺するのかと思いましたが、農家のご主人がとった行動は短期的対策として商品にならないりんごを森に撒く、長期的対策として草や木の実が茂る木を植林していくことでした。企業もカーボンオフセットの考えから植林活動に協力しているとか。
軽井沢のピッキオという団体は2000年頃、軽井沢の別荘地帯に出没した熊対策として、ゴミ箱を熊には開けられない構造に作り変え、仕掛けにかかった熊を森に放すときにゴム弾や犬を放ったりして「人間に近づくと怖い」ということを体感させる。(熊が森に入ったらゴム弾や犬の攻撃はやめるそうです。)そして、ベアドッグと呼ばれる犬とともに森の中を巡回しているとか。
放送ではこれらの対策で熊被害は格段に減ったと述べていました・・・・
毎日のように「熊出没」と「射殺」のニュースが流れると、振り子の反動のように「熊対策」の特集も放映される・・・報道をバランスのとれた目で見る必要があると思いますが、何が正しいのか判断するのは難しいことです。
☆ 昨日の日経新聞の夕刊に梅原猛氏の「能に新時代の哲学を見る」という記事が載っていました。 (点四つとると「熊」が「能」になるりますが、今回は関係ありません。) その内容をひろってみると以下のようなことでした。
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世阿弥に惹かれ学ぶうちに、世阿弥の能の根本思想は「草木国土悉皆成仏」(そうもくこくどしつかいじょうぶつ」で表現される天台本覚思想と理解した。「草木国土悉皆成仏」は世阿弥以降の能作者の様々な局の詞章にでてくる。
「草木国土悉皆成仏」は平たくいうと、人ばかりでなく、草木や動物、鉱物なども含めた森羅万象が仏になれるとする。インドや中国にはない日本独自の仏教思想である。
環境問題ひとつとっても、西洋近代哲学の人間中心主義が行き詰まっていることは明らかだ。このようなときに、人間中心主義を超える思想として「天台本覚思想」の自然中心主義を見直すことは多いに意味がある。
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「熊の出没」は森に食べ物がなくなったからと報道されています。
それなら食べ物を空から森に撒けばどうだろう?・・・と知り合いに言ったら「そうすることで森がもつ本来の生態系が変わってしまい失敗だったんだって」という話でした。難しいんですね。
人間は自然界を自分たちに都合が良いように変えてきました。近代化、効率化が進み人間にとっては住みよい環境になったはずでした。 しかし、地球環境の変化、生態系の変化、食物連鎖の変化が生じ・・・今、地球上で様々なことが起こっています。 どうしたら素敵な地球でいられるのか・・・動植物が共存できる地球であってほしい、動物や植物を愛し命を大切に考える人間でありたい。
ストップ温暖化のためのCO2対策。エコカー減税や家電エコポイントも有効だけれどなんか企業のため、経済活性化のためという直近の目的に偏重している気がしないでもない・・・もちろんそれも大事だけれど・・・
エネルギー、水、消費財・・・ものを大事にする心も問われているのよね。
動植物の命をもらって生きているのに食べ物への感謝を忘れ、必要以上に食べ物をむさぼったり廃棄したり・・・ (野生の動物は必要以上には食べないらしい。大食いの私としては大いに反省!)
「熊出没報道」から色々考えさせられました。 「熊にも劣る人間」にならないよう自然界への「感謝」と「畏敬の念」を忘れずに生きていきたいです。 個人レベルの植林基金とか動物保護基金とか・・・調べてみよう。
まずは食事の前の「いただきます」、食後の「ごちそうさまでした」から始めよう! これは作ってくれた人にだけでなく動植物への感謝なんですよね。 ん? 熊のことからこんなところに話がいきつくとは・・・ 飛躍しすぎ (~_~;)
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