2010年6月5日土曜日

リトル・トリー


買ったはいいけど読まずに放ってある本ってありませんか? 出だしでつまずいたり、その時の気分と合っていなかったりとかで・・・・

今日読んだ「リトル・トリー」という本はそんな一冊。10数年間、本棚の奥に眠っていました。

今回、「リトル・トリー」を読んで心が洗われる思いがしました。 アメリカ先住民 インディアンの子供リトル・トリーと祖父母三人の自然の中での物語。 太陽、星、風、山、小川、動植物・・・自然の声、営み、それらが私の耳、目、肌にじかに迫ってくる感じがしました。

生きるってこういうことなんじゃないかと。 物語の舞台にいっとき身をおいてみたい思いがしました。 

インディアンのおばあさんはリトル・トリーにいいます。「なにかいいものを見つけたとき、まずしなくちゃならないのはね、だれでもいいから、出会った人にわけてあげて、いっしょに喜ぶことなの。そうすれば、いいものはどこまでも広がっていく」と。

「理解というのは愛と同じものなの。でもね、勘違いする人がよくいるんだ。理解していないくせに愛してるふりをする。それじゃなんにもならない」。「だれでも二つの心をもっている。からだの心(ボディーマインド)と霊の心(スピリットマインド)、欲深くなったり、相手を利用してもうけようとしたら、霊の心はどんどん縮んでしまう」。・・・随所にはっとする言葉が出てきます。

自然と向き合い、溶け合い、「今生は悪くなかった。次に生まれてくるときはもっといいだろう」と言って息をひきとっていくインディアン達。  そんなインディアンの生と死に対する姿勢、そんな生き方が出来たらいいなとも思いました。

インディアンの生活、人種差別、環境問題にも触れているこの本について、著者の生き方や内容の真偽から批判もされているようですが、それは私にとってはどうでもよいこと。大事なのは「この物語」が、「この本の言葉」が私の心の琴線にどう触れたかということ。

今、処分する本と大事にとっておく本を選別していますが、この本はとっておこうと思います。

0 件のコメント: